EMS-JP × GT international LTD.の場合

EMS-JPコミュニティで年商10億円目指した話 GT international 有限会社 代表取締役 徳田 剛克

年商10億円の夢を掴みかけて掴みきれなかったしくじり企業のご紹介をしてみようと思います。このしくじりを踏まえ、EMS-JPグループ活用方法の参考になれば幸いです。

5年前のお話です

お話はとある家電メーカーの会議室から始まります。
そのメーカーの冷蔵庫は、海外では大きなシェアを占めているのですが、日本国内ではなかなか苦戦を強いられていました。
GTさん、何かアイデアない?ということでした。

その家電メーカーさんは、アジア地域の CEO が変わり、新たな生活スタイルを提案するような製品を開発していくという方針を打ち出し、面白い製品をいくつも作っていました。
新たな生活スタイルを提案する冷蔵庫か…
それでは、ということでアイデアを練って資料を作成してみました。

  • 扉全体を液晶パネルにしてみる
  • 冷蔵庫の衣替えが容易に、気分で画面を変えられる
  • カメラとマイクつけて、伝言板にできるようにする
    (昭和の時代、磁石で伝言や学校行事の案内貼ってあったよな)
  • カメラつけたから、全身映して姿見にしてみる
  • 「AIアシスタンス機能つき」にしてスマートスピーカーにしてみる
  • インターネットに接続して外部からのアクセス可にしてみる

(これ、5年前のアイデアです)

そうしたらこれがウケました!
量産効果・マーケット調査無視の製品として世に出し、メーカーのイメージを変える Flagship Model としてプロジェクトがスタートすることになりました。
先方は「GTさんのアイデアだから作って!」ということに。
さあどうしよう…

EMS-JP会員企業に聞いてみる

あらゆる工程の企業が集まるEMS-JPに相談したら、なんとかなるかも? 早速EMS-JP会員企業に協力を打診しました。

  • 液晶モジュールの供給を担当
  • → 日野エンジニアリングさん

  • ソフト開発を担当
  • → EMS-JPの暗黒面 横浜のボス ピー・アイ・スクエア株式会社さん

  • ハード設計を担当
  • → 株式会社ASKエンジニアリングさん

チーム JP で試作機を作成

チームJPで試作機作成に取り掛かりました。各社の技術によって、ここでは仕様を伏せますが、提案したアイデアに近いものができたのです。

これが評価されまして、現物を展示会で発表することになりました。 海外の展示会でピー・アイ・スクエアさんとASKエンジニアリングが現地で大活躍。 その結果、量産化が決定!年間10,000台!すごい!

ところが、ここからが波乱の連続だったのです…

量産化:CPUボード開発!

試作機では市販の CPU ボードを使用していたので、そのボードをベースにして CPU ボードの開発をスタートしました。開発は試作機作成でお世話になったEMS-JP会員企業さんにそのままお願いしました。

  • ハード設計
  • → 株式会社ASKエンジニアリング

  • 基板設計
  • → 株式会社プラーナー

  • ソフト設計
  • → ピー・アイ・スクエア株式会社

  • 基板Assy
  • → 株式会社 HOKUTO

基板設計には予算に入っていなかったシミュレーションもご好意で格安対応していただきました。

量産化:液晶パネル / 冷蔵庫 扉部分の製造!

こちらもEMS-JP参加企業に打診。 が、家電メーカーの用意したルートには見積で勝てず!

冷蔵庫の扉部分についてもEMS-JP参加企業に打診して対応可能とお返事いただいたのですが、家電メーカーの製造拠点であるタイで生産を実施する線が濃そうだという点で雲行きがどんどん怪しくなっていきます。

量産化:部品調達!

冷蔵庫の生産向上がタイに決定してしまうと、家電メーカーとの間に入っていた商社さんが辞退ということになりました。
CPU ボードに搭載する約 2 億円分の電子部品の調達を商社を介さずこちらでやれという話になってしまいました。
部品調達については自分のツテを頼って何度もお願いし、あらゆる保険をかけて商社に間に入ってもらうことになりました。

一方そのころ…

フラグシップモデルとして制作された冷蔵庫が正式に命名され、連日メディアで紹介されていました。情報番組や雑誌での扱われ方を見ると、ヒット商品となるのは間違いないと思われました。やった! それを裏付けるように、第一弾として3500台を受注することになりました。

まあそこからもなんだかんだと波乱がありつつ(詳しい話はご入会後にでも…)、EMS-JP参加企業さんにお助けをいただいて、1st lot を完納することができました。とにかく利益度外視で高い部品を買わざるを得なかったりしていろいろ散々でしたが、とにかく完納できたことで希望が見えてきました。残りの 2/3 で利益を確保すればよいのです。

最後のどんでん返し

この家電メーカーさんは、生活スタイルを提案する冷蔵庫を欲していました。 そこから始まったプロジェクトでしたが、その旗振りだったアジア地域の CEO が失脚するという事態ですべてが終わりを迎えることになりました…

最初に納品した3500台分の部材を納入しても市場リリースされず、メディアでも歓迎されていたフラグシップモデルは幻の製品となってしまいました。 当然、2nd 以降の生産もストップしました。 こうして、年商10億円の夢は幕を閉じたのでした。

夢はまだつづく!

EMS-JP の仲間と一瞬夢をみて掴みきれませんでしたが、いろいろとしくじりながらも皆様のご協力により業務を遂行できました。 私自身は、ビジネス=人・絆だと考えております。 また、次回チャンスを作ってリベンジしたいと考えております。 最後に、このような PM 的な仕事は事務局や各支部局長で回してもらえればよりチャンスが広がるんじゃないかな、なんて思っています。

GT インターナショナル有限会社 代表取締役 徳田 剛克
GT インターナショナル有限会社
代表取締役
徳田 剛克

業務内容

受託開発
計測機器、制御機器、通信・情報・処理機器及び関連機器に関するハードウェア・ソフトウェアの提案・試作・生産。
ご要望に合わせて、コストパフォーマンスを重視しながら、MCU・FPGA・F/W・アプリの最適な組み合わせをご提案いたします。

業務概要

グレートトレーディングカンパニーを創る。グレートトレーディングカンパニーとは、【参画】【仁】【真摯】を企業理念、行動指針とし、持続的成長を続ける会社の事です。
昨今の厳しい世界情勢の中、日本国内だけでなくグローバル展開の要望にも日本人の持つ強みを生かして、真摯に対応して参ります。
お客様と社員が一緒になって、戦い、笑い、時には苦い思いもし、日々の業務に取り組みます。
そして、お客様と社員が『素晴らしい会社』と誇りの持てる企業を実現します。
我々の活動はお客様の【笑顔】【感動】を創造し、社会と人々に貢献する企業になりたい願っております。

会社情報

GT インターナショナル有限会社

GT インターナショナル有限会社
〒183-0023
東京都府中市宮町1-26-1
http://gtinter.tokyo/

ビジネスが変わる。現状を変える。EMS-JP。

  • 登録無料 JPポータル会員登録はこちら
  • 資料請求はこちら