EMS-JP × 株式会社東北エヌイーエレクトロ の場合
EMS-JP 入会へ
まずは、私の EMS-JP 入会に至るまでのお話をさせてください。
電子機器業界へ来たはじまりは、三菱瓦斯化学株式会社の子会社であるプリント基板製造メーカーの共立工業株式会社に入社したところからです。
親会社が基板事業から撤退したタイミングで独立を検討し、株式会社ソネットを設立しました。
株式会社ソネットは電子機器開発/回路設計/PWB設計/プリント配線板製造/部品調達/部品実装/組立と、一連の工程に携わる会社です(OEM生産)。
ソネットのネーミングはソーシャルネットワークと人脈のネットワークで営業展開することを目指して決めたものです。
「困ったときのソネット頼み」がキャッチフレーズで、現在でも続いている営業スタイルの原点となっています。
2009年、景気悪化で主な取引先の受注が激減していきました。親しかった取引先の窓口担当者もリストラで大方退職していくという事態。株式会社ソネットも廃業することになりました。
次の職場として、基板の表面処理を主とする株式会社牟礼精密に転職が決まりました。
そんなとき、ソネット時代からお付き合いのあった株式会社東北エヌイーエレクトロの根津社長(当時)に連れられて、EMS-JP という異業種交流会の会合に参加することに。
ここで初めて異業種の方、立場の違う方、年齢に関係なく様々な経験を積まれた方々と会話ができ、新鮮な体験ができたのを覚えています。
そして根津社長から、EMS-JP に入会して「東北の実装会社の東京営業所」として活動してみないかと打診を受けたのでした。
主な実績(元EMS-JP会員も含む)
参加当初は EMS-JP 会員企業からの案件確保がなかなかできない状況でしたが、ここ近年で「困ったときのソネット、もとい渡邉」に相談を持ちかけてくれる方が増えてきたように思います。 いくつか例をあげてみたいと思います。
[1] 株式会社アトム技研様からの受注案件
B 社の「教育用の雑誌の付録用電子機器」の実装・組立を受注
(2014年4月見積り~翌年2月に量産完納)
B 社 ⇒ アトム技研 ⇒ 東北NE ⇒ 株式会社HOKUTO(実装加工を委託)⇒ 青森の組立工場 ⇒ B 社倉庫
[2] 株式会社アトム技研様からの受注案件
自動車バックカメラ用中継器基板調達、実装、組立て
(2014年から現状も継続生産中)
エンドユーザー ⇒ アトム技研 ⇒ 東北NE ⇒ 株式会社シグナス(基板調達)⇒ 東北NE(SMT実装)⇒ 青森の実装(DIP部品)組立 ⇒ アトム技研指定納入先
[3] 城北工業からの受注案件
S 社向け監視カメラ対応のマルチベンダーデコーダの製造
S 社 ⇒ マルチベンダーデコーダー開発会社 ⇒ 城北工業(筐体製作)⇒ 東北NE(実装・組立・通電検査)⇒ S 社指定倉庫へ直送
*開発会社様は伝票を発行すれば完成品が顧客様に納品されるようなパートナーと組みたいとの意向があった(技術、品質、価格、納期対応)。
*別案件で上記生産体制で製品化する物の基板設計を株式会社プラーナー様に依頼。
[4] 株式会社東和テックの紹介案件
H 医療機器販売会社 ⇒ 株式会社コスモスウェブ(自社医療器の開発、試作、量産化受託、開発対応中)⇒ 部品調達、基板製造、筐体製作、実装・組立加工
ワタナベ流!開発案件の発注背景分析とその取り組み方
ここで、私渡邉の「開発案件における発注側の心理分析と、それを受けて我々はどう動くべきなのか」のノウハウを少し披露してみたいと思います。
発注側の気持ちと発注に至った要因は…
- リストラ等による人材・能力不足
- IoT の発展
- 生産サイクルの短期化
資材担当者の業務の調達、価格、納期管理などの負荷、熟練者不在、縦社会で育った人材で水平展開ができないなどの要因で一括発注が増えている。
ソフト開発メーカは従来ものづくりであるハード分野は興味がなかったが、IoT 絡みの案件で製造メーカーとのコラボ希望が増えた。
生産委託中に次の開発に手がかけられるという発注側の都合があり、人材が少ない開発メーカーは伝票を発行すれば即ものづくりしてくれる「パートナー」を求めている。
受注側の取り組み方は…
- 客先から見積依頼があった場合は絶対に断らないこと
- 案件を持ってきてくれるお客様は「仲間」
- 難しい案件にこそトライし、ネットワークを駆使し対応する
- EMS-JP 仲間の同業はライバルであり、協力会社である
- EMS-JP 仲間はギブ&テークの関係を築きやすい
資材担当者の業務の調達、価格、納期管理などの負荷、熟練者不在、縦社会で育った人材で水平展開ができないなどの要因で一括発注が増えている。
「自分のために営業をやってくれる仲間」と思って接すると自分の営業拡販の幅が広がる。
できないことを解決するたびにネットワークが広がり、解決方法が多くなる。営業の引き出しが多くなる。異業種が集まる EMS-JP は絶好のネットワーク!
受注には波があるもので、こちらのラインが埋まっていたり、納期対応が難しかったり、価格が厳しかったりと様々なシチュエーションで舞い込んできます。
客先は断ってくる相手より、一度で対応してくれる依頼先が好ましいと考えるものです。
断らずに引き受けるためのネットワークを持っておくことは、機会獲得の大きなチャンスと言えると思います。
現在の自分の強み、現況
そもそも私は、案件対応のための最適メーカーを選択してコーディネートするのが好きなようで、EMS-JP 仲間をはじめ、協力し合ったメーカーのネットワークから次のネットワークができることをとても楽しいと感じています。
「困ったときのソネット頼み」の原点が戻ってきたように、最近私に困ったこと、難題を相談してくれる人が増えている感じがしています。人に頼られるって幸せですね。
コロナの影響で従来のように EMS-JP 仲間と飲み交わせないし、充分な情報交換もできないのが残念ですが、東北の東京営業所として、オンラインも併用しつつ活動していきたいと思っています。
- 株式会社東北エヌイーエレクトロ
- 渡邉 茂樹
業務内容
プリント基板実装/各種機器組立/ハーネス加工/基板修理等
経営理念
全従業員の物心両面の幸福の追求と
常に仕事を通じて感動し
人に対しては感謝をわすれない。
会社情報
- 株式会社東北エヌイーエレクトロ
- 〒190-1212
東京都西多摩郡瑞穂町殿ヶ谷429-1 - https://tohoku-ne.com/